みなさん、こんにちは。
今日から「気になる英語表現」シリーズが始まります。
新聞・雑誌・ネット上で見かけた「気になる英語表現」、あるいは、
この「気になる日本語の英訳」は何だろう?、そういった好奇心の赴くまま、
進んで行きます。勉強の合間にお読みいただければ幸いです。
TVのニュースから流れてくる「不可逆的」なる言葉に耳が反応したのは、
2015年12月も暮れに差し迫ったころでした。日韓外相会談の後の
共同記者発表で、以下のような文言が述べられました。(以下、抜粋)
「・・・ この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」
= ... confirms that this issue is resolved finally and irreversibly ・・・
(上記、日本語・英語とも、外務省のサイトより引用)
irreversibly = ir(否定)+reversible(以下の①②③④)+ly(副詞) です。
①物が逆にできる、反対に動かせる ②衣服などが裏返しても使える
③決定などが覆せる、逆戻りできる ④化学反応が可逆の
大昔、reversible なコートを持っていたなぁ。着てると妙に気恥ずかしい。
大昔、化学の授業で「不可逆反応」って出てきたなぁ。化学苦手。(遠い目)
そんな記憶がよみがえり、「不可逆的」に反応したのかもしれません。
ただ、この表現は国際間においては常套句のようで、つい最近もこんなのが。
Top U.S. officials expressed caution about North Korean leader
Kim Jong Un's pledge over the weekend to shut down Pyongyang's
nuclear-test site, saying a dismantling of the North's weapons
program must be "irreversible" and verifiable.
= 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が先に核実験施設を閉鎖すると表明
したことについて、米政府高官は慎重な見方を示している。米国側は、北朝鮮
の武器開発プログラムの放棄は「不可逆的で」検証可能でなければならない
としている。(THE WALL STREET JOURNAL 電子版 2018年4月30日)
忙しい受験勉強の最中でも、1日に30分くらいは「ネットで英語を学ぶ」時間
が取れるといいね。言語学習は堅固な建物を構築するイメージではなく、
ゆらゆらと揺れ、適度な「可逆性」を含みながら、楽しくやりましょう!
金沢中央予備校 藤田登久
(ご意見・ご感想など⇒ t-fujita@te.urayama.ac.jp)
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