みなさん、お久しぶりです。
前回の「言葉の距離感①」が2月24日ですから、
言葉どころかブログ自体にかなりの距離感が出てしまいました。
新学期の授業・個別指導もようやく軌道に乗り始めたので、
今日からブログを再開します。
前回は、5000円「から」お預かりいたします、お水の「ほう」はよろしいですか、
消防署の「ほう」から来ました、を取り上げましたが、今回は動詞です。
ファミレスなどで注文を伝えた後、このように言われたことはありませんか?
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか」
よろし「かった」・・・なんで過去形? 言い終わるや否や過去形。Oh, time flies!
これが、「ご注文は以上でよろしいでしょうか」という現在形だと、
「今この時」に焦点が当てられ、相手との距離も近く、緊張も高まる。
これが過去形だと、「ちょっと前のあの時」に焦点が当てられているので、
相手との距離が少し遠く、緊張も緩和される。
実は英語にも似たような過去形の使い方があります。
If I were a bird, I would fly to you.
「もしぼくが鳥だったら、君の所に飛んで行くのに」
昔の参考書によく出ていました。英文法の「仮定法」の項目です。
少し和訳を補正すると、
「もしぼくが(今)鳥だったら、君の所に(今)飛んで行くのに」となります。
ほら、今のことなのに過去形(were / would)でしょ?
<現実>鳥ではない→過去形で現実との距離を作り→<仮想>もし鳥ならば...
ということなんですね。実はこれ、いろんな言語で見られる現象なのです。
でも、飛んで行っても「鳥」なんですよ、鳥。
どうしても彼女に会いたい僕は、念願の鳥になって飛んで行く。
彼女の部屋の窓をくちばしでコツコツ、コツコツ...。
「なんやこの鳥、気色悪いなぁ。あっち行け!」
冷たく追い払われて終わりになる、悲しい例文でした。
中央予備校富山校 校長 藤田登久
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